できるだけ良い歯科治療を、安く受けるために #4

歯医者に関する知識

はじめに

こんにちは。「できるだけ良い歯科治療を、安く受けるために」第4巻となります。
前回、保険診療と自費診療のメリット、デメリットとどのように使い分けたらよいかということをご説明しました。ですが、やはり自費診療は高額ですし、保険診療でも治療箇所が多ければ費用がかさんでしまいますよね。ということで、今回は少しでも歯科にかかるお金を軽くするための制度をご紹介させていただきます。

皆さんの家計の助けとなるはずですので、ぜひご覧ください!

※本記事は「歯科にかかるお金の話!”歯科治療を安く受けるための方法”」の改訂版となります。

制度その1:「医療費控除」

まずは1つ目、「医療費控除」です。
国税庁のHPによれば

その年の1月1日から12月31日までの間に自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額(下記「医療費控除の対象となる金額」参照))の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。

だそうです。そういうことです。

…さっぱり分かりませんね!(笑)説明していきます!

医療費控除は、かかった医療費がそのまま返ってくるという制度ではありません。「控除」という名前が入ってくるくらいなので、かかった医療費分の所得が非課税になるということです。
医療費控除を申請することで、所得税が計算しなおされ、源泉徴収で払い過ぎていた分の所得税が返ってくる、というのが大まかな流れとなります。

では、もう少し詳しく見ていきましょう。

医療費控除は1年間にかかった医療費の合計が10万円を超えた場合に限り、その10万円からはみ出した分に対して適用されます
そもそも所得税というのは、得られた収入のうちの課税所得に該当する部分に対して、得られた収入に応じた税率をかけるという方法で計算されています。医療費控除は、1年間にかかった医療費総額から10万円を引いた額を課税所得からマイナスしてあげるよ、という仕組みになります。

※細かい言葉が分からない方のために記事の最後に解説を載せました。わかりづらい方は行ったり来たりしつつ読んでみてください!

具体例を見ていきましょう!

医療費控除 具体例

Aさんは今年30歳の未婚、年間の所得が500万の会社員の男性です。周りが続々と結婚し始め、自分は彼女すらいないという状況。このままではいけない、何かを変えなければならない!そう考えたAさんは一念発起し、社会人になって貯めたお金を放出して自分磨きに使うことにしました。とりあえず見た目から変えるべきかと思い、ずっと悩んでいた矯正治療を受けることにしました。

ところがいざ歯医者に行ってみると、矯正治療どころか、ずっとメンテナンスを行っていなかったためか、ひどいむし歯がいくつか見つかりました。前付き合っていた彼女にも「口が臭え」という理由でフラれていたAさん、もっと早くに歯医者にかかればよかったと過去の自分を恨みつつも、矯正治療に先立って保険でむし歯治療を受けることにしました。
Aさんは住まいがド田舎で車はもっておらず、しかもテレワークで出かけることもないため、一番近い歯医者に電車とバスを乗り継いで根性で通い、むし歯治療を完了した後に矯正治療を開始しました。

Aさんのプライベートの好転を願いつつ、医療費控除額を計算してみましょう。

まず、データをまとめてみます。

もし医療費控除を受けなかった場合、Aさんは以下のように源泉徴収されますね。

ここに医療費控除を申請すると以下のようになります。

ということで、差し引き194000円が返ってくるということになります。
結構無視できない金額ですよね!自分磨きがはかどるというものです!

今回の具体例、やたら生々しくシチュエーションを設定しました(笑)。まあ、少しネタ要素もありますが、もう一つ大事なポイントが隠されています。

それは、この医療費控除は保険診療、自費診療関係なく適応されるということです!
さらに言えば、通院に公共交通機関を利用した場合はそれも計上されるのです。
医療費に関する領収書はかならず保管しておきましょうね!!

前回の記事で詳しく説明しましたが、自費診療はどうしても高額になりがちです。
金額面で敬遠している方もいるかと多いと思います。ですが、このような制度を利用しますと少し自費診療の敷居も下がるのではないでしょうか。

使える制度はガンガン使って、少しでもいい医療を低額で受けましょう!

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OWNER:MAKOTO

東京医科歯科大学卒 現役歯科医師

音楽とか服あつめが好きです

詳しくは、プロフィールページをご覧ください。

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