できるだけ良い歯科治療を、安く受けるために #5 (最終回)

歯医者に関する知識

はじめに

こんにちは。「できるだけ良い歯科治療を、安く受けるために」、最終回となります。
前回は医療費控除について説明いたしました。今回はそれに並ぶもう一つのありがたい制度、「高額医療費制度」について説明していきます。

ぜひ両方を使いこなしていただき、自分にあった歯科医療を適正価格で受けられるようになってほしいと思います。

どんどん知識武装していきましょう!

※本記事は、note掲載中の「歯科にかかるお金の話!”歯科を安く受けるための方法”後編」の改訂版となります。

制度その2:「高額療養費制度」

今回ご紹介するのは、高額療養費制度です。厚生労働省の説明を見ていきましょう。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です(入院時の食費負担や差額ベッド代は含みません)。

前回の医療費控除よりもだいぶわかりやすいですね!

平たく言うと、「一定以上の医療費がかかった場合には、はみ出した分をお返しします」ということです!基本的に1ヶ月単位で計算し、かかった医療費が一定以上であればその都度制度を利用できるという形になっています。

え!最高じゃん!と思われるかもしれません。確かに最高なのですが、注意点もあります。確認していきましょう。

  1. 自己負担上限額は年齢、所得によって異なる
  2. 適用されるのは、保険診療のみ
  3. 複数の医療機関にかかっている場合は合算できるが、一つの医療機関ごとに一定以上の金額がかかる
  4. 請求先は個人によって異なる

まず1つ目。
自己負担額はまず年齢によって分けられ、さらにその中で所得額によって分かれます
自分がどこに該当するのか、よく確認するようにしましょう。

次に2つ目です。
医療費控除の場合は対象となる医療費は、保険・自費診療問わず計上することができました。しかし、高額療養費制度では、対象となるのは保険診療のみですので、注意が必要です。
例えば、矯正やホワイトニングといった自費診療は請求できないことになります。過去の保険診療と自費診療について解説した記事もぜひ参考にしてください!

続いて3つ目です。
高額療養費制度では、医療費の合算が可能です。例えば、ひと月にA病院で30000円、B病院で60000円かかった場合では、ひと月にかかった医療費が90000円でした、と言って請求できるということです。ですが、この合算対象になる金額というのは21000円以上です。
つまり、A病院で30000円、B病院で60000円、Cクリニックで10000円だった場合、A病院とB病院分はカウントできますが、Cクリニックの医療費は21000円に届いていないためカウントできず、ひと月の医療費は90000円ということで請求することになるということです。

A,B,Cのすべての病院で21000円以上かかっていないと、3つを合算することはできないんですね。

4つ目です。
高額療養費制度では、対象となる医療費が保険診療のみです。そのため、請求先は皆さんがお持ちの保険証に記載のある保険機関となります。個人個人で異なる請求先になりますので、注意しましょう。

限度額適用認定について

高額療養費制度は、医療費が高額になってしまった場合の心強い味方です。ですが、この制度を利用する場合、いったん窓口で支払ったのちにその還元を受けるという形になります。つまり、頭金は必要になるということです。
もし、すでに家計が厳しく、頭金がない中、病院で高額な医療費を払わなければならなくなったらどうでしょう。そのほかの生活に回すお金が圧迫され、医療費が還元されるまでの間がかなり苦しい生活となってしまいますよね。

そんなときに役に立つのが、「限度額適用認定」という制度です。
事前に保険機関に申請して認定証をもらっておくと、病院にかかった際、支払う額が高額療養費制度の上限額までになるのです。
頭金すら必要なくなるわけですから、とても心強いですね!
こちらの制度は認知度もかなり低いようです。 必要な方は積極的に利用していきましょう!

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OWNER:MAKOTO

東京医科歯科大学卒 現役歯科医師

音楽とか服あつめが好きです

詳しくは、プロフィールページをご覧ください。

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