今さら聞けない、、、歯周病って何?(前編)

歯医者に関する知識

はじめに

こんにちは。今日は今さら聞けない話を記事にしました。それは「歯周病」です。

ここんとこむし歯関連が続いていたので、ちょっと味変ですね。

これをお読みいただき、歯周病の大まかな内容をご理解いただければと思います。

それでは、見ていきましょう~

歯周病って何?

そもそも歯周病って何か。それは「歯の周辺の病気」です。

そのまんまですが、ほんとにそのまんまなんです。もう少し詳しく見ていきましょう。

歯とその周辺の組織の断面の模式図です

歯周病で言う「歯の周りの部分」はこの図でマーキングされたあたり全体を指します

この部分は「歯槽骨」「歯根膜」で構成されています。

歯槽骨は歯を支えている骨です。そして歯根膜は歯と歯槽骨をつなぐ繊維です。この2つが存在することで歯がその場に植わっていられるのですね。そして歯肉はこの歯槽骨と歯根膜を覆うように貼り付いているのです。

では、この歯槽骨と歯根膜をもう少し近くで見てみましょう。

出典:httpscareer.whitecross.co.jpdstylelistskillup4267

歯と歯肉の間には小さな隙間があります。ここの部分は歯と骨のつなぎ目が深く続いています。このつなぎ目が壊れていくと、次第に歯は支えを失っていき、ぐらぐらと揺れるようになっていきます。これが歯周病の実態です。

端的にまとめると、「歯周病になると、歯と骨が分断されて歯が自立できなくなっていく」ということになります。

歯周病の原因

続いて、なぜ歯周病にかかってしまうのかということを見ていきましょう。

まずはもちろん歯の汚れです。

先ほど示した歯と歯肉の隙間に汚れが溜まると、その中で歯周病菌が繁殖していきます。歯周病菌には、骨を溶かす細胞を活性化させる物質を産生する性質があります。歯周病菌が繁殖し、骨を溶かす細胞が活性化すると、どんどん骨が溶かされていき、歯が自立できなくなっていきます。

もう一つ大きな原因があります。それは意外かもしれませんが、噛む力です。
噛み合わせが悪く、噛んだ時にどこか一か所に強い力がかかっていた場合、歯と骨をつなぎとめる力が噛む力に負け、剥がれてしまうことがあります。その結果、歯と骨のつながりがどんどん弱くなり、歯が揺れるようになっていくというメカニズムです。

歯周病と噛み合わせには大きな関係性があるのですね。

歯周病の進行の仕方

では、続いてどのように歯周病が悪化していくのかを見ていきましょう。

左から、「健康な状態」「歯肉炎になった状態」「歯周病になった状態」です。
出典:httpswww.kenko-niigata.comhatokuchikenkoumushiba407.html

まず、健康だとどのような状態かを確認しましょう(図の左)。

歯と骨は全周がっちりとくっついており、その上に歯肉が載っているようなイメージです。歯と歯肉の隙間は少しだけありますが深さはかなり浅く、歯ブラシをいれれば底にとどくほどの距離です(この歯と歯肉の隙間を歯周ポケットと呼びます、CMとかで聞いたことがあるかもしれませんね)。

少し歯周病が進行すると、まず歯肉が腫れます。それによって歯周ポケットの深さは深くなり、ポケットの底に汚れが溜まりやすく、取れにくくなります。この歯肉が腫れた状態を歯肉炎と呼びます(図の中央)。

この状態がさらに進行すると、ポケットの底に溜まった汚れが骨を溶かす細胞を呼び寄せ、歯の周囲の骨が溶かされていきます。これによって歯と骨の結合箇所が少なくなっていき、歯がどんどん揺れるようになっていきます(図の右)。

揺れるようになれば、歯が本来立っているべき場所とはずれていくので噛み合わせが変わっていき、その歯により負荷がかかってより揺れるようになります。負のスパイラルですね。
この状態に突入してしまうと、歯周病ということになります。

骨が溶けているかどうかというところが歯肉炎と歯周病の違いです。

ここまでを前編とさせていただきます!
続きは後編で!(←クリックで後編へ飛べます!)

OWNER:MAKOTO

東京医科歯科大学卒 現役歯科医師

音楽とか服あつめが好きです

詳しくは、プロフィールページをご覧ください。

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